オランジュリ Orangerie
- 2017/05/15 20:31
- ベルサイユ宮殿と街
「おかあさま・・・ごめんなさい こんど生まれてくるときは・・・もう・・・貴族なんかじゃないところにする・・・わ・・・」―シャルロット
「ベルばら」で、ポリニャック伯夫人の娘シャルロットが自殺したと思われる場所です。コマに描かれた風景が、オランジュリ横の階段に酷似しています。ただ、あそこから落ちても死ねるかなぁ。
おまけコラム「シャルロットの波瀾万丈な生涯?」「ベルばら」に登場したポリニャック伯夫人の娘、シャルロット。彼女は哀れにも母親の野望の犠牲になりましたが、史実を調べてみると色々なことが判りました。 シャルロットのモデルとなったと思われるのは、実在するポリニャック伯夫人の長女アグラエ・ルイーズ・フランソワーズ・ガブリエル。1768年生まれで、「自殺することなく」1780年にギーシュ公と結婚、ギーシュ公夫人となります。わずか12歳での結婚、しかもアニメ「ベルばら」ではヤバめのおっさんとして登場していたあのギーシュ公!少々心配になりますが、史実ではギーシュ公はオスカルと同年の1755年生まれ。少なくともアニメ版ギーシュ公の推定年齢よりはるかに若いです。 そして驚きなのが、結婚の際に王室から下賜された持参金。なんと80万リーブル!<首飾り事件>のダイヤの首飾りが約160万リーブル(約192億円)なのを考えても、金額の莫大さがわかります。ミラボーがポリニャック家への偏愛を皮肉って「ダサス家の家族には国家を救った手柄によって千エキュ、ポリニャック家には国家を滅ぼした手柄によって百万エキュ!」と言ったというのも頷けます。 彼女はのちにアルトア伯の愛人となり、1803年、亡命先のイギリス・エディンバラで死去します。 |